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中国からベトナムへ鶏の密輸(参考資料) 

参考資料 
 昨日、ロイター等から中国からベトナムへ鶏の密輸が行われていて、それらからH5N1ウイルスが検出されたニュースが流された。中国からベトナムへ国境を越えて、H5N1感染鶏が持ち込まれている実体は以前から報告されている。2006年7月のワシントンポスト紙の論説を再度掲載する。


■中国からベトナムへの鶏の不正持ち込みの実体
2006/7/30

 
鶏の輸入禁止措置を無視して、密輸人達は中国国境を越えてH5N1ウイルスを、ベトナムに持ち込んでいる
 
密輸人達は最初遠くの分水嶺に現れ、中国とベトナムの境界をなしている、青々と、彫刻のようにシャープにその姿を浮きだたせている山から、次第にアリのように悪路を駆け下りてくる。彼等の姿が近づいて来るに従い、背中に生きた鶏を詰め込んだ竹籠を背負った、前屈した彼等の特有の姿がはっきりと見えてくる。
 
直に2人の若者が現れ、地域の監視官に止められ尋問され出すと、1人は無線でなにやら分からない言葉で叫んだ。すると遠くの山陰に見えた人影が突然消えた。
 
このような密輸を行う商人達が1日に少なくとも1000羽以上の鶏を、中国と国境を隔てている6省の1つであるラング・サン省に運んでくる。そのような密輸により、繰り返し南中国から致死的鳥フルウイルスがベトナムに運び込まれる、と保健専門家達は語る。


 
鳥フルが東半球で拡大する理由として、国際的保健専門家達は不法な家禽およびその産物の国境を越えた取引が、しばしば原因となっている、と警告している。
 
”国家間だけでなく国内でも、家禽の商用取引が重要な(ウイルス)拡大の要因となる”、と国連FAOの動物感染症対策責任者の、ジュアン・ルブロー氏が警告する。”我々は各国政府に適切に対策を立てる必要があると言っているが、武器や麻薬の密売と同じように取締は簡単ではない”。

 
H5N1ウイルスは、すでに50ヵ国以上で農場の家禽や野鳥に大きな被害を与えている。そして少なくとも230人以上の発病者が報告されていて、半数以上が死亡している。保健担当者達はウイルスが変異して、人人感染を起こすようになり、世界的パンデミックが発生することを恐れている。
 
ベトナムの獣医当局は4月に、中国国境の捜索でラング・サンで押収した密輸された鶏で、鳥フルウイルスを検出した。その数日後、近隣のカオ・バング県の中国との国境沿いの3つの村で数十羽の鶏が死亡しだし、それらの検体から(H5N1)鳥フルウイルスが検出されたことを、同県の当局が報告した。これらの2つの事例は、昨年の12月以来ベトナムにおける初めての公的確認事例となった。
 
2005年5月には、研究者達は既に密輸によってウイルスが(ベトナムに)運ばれている証拠を得ていた。研究者達はベトナムには存在していなかったウイルス株を(ラング・サンに密輸された鶏から)検出したが、それはラング・サンから山を超えた場所の中国広西自治区では一般的に見られている株であった。
 
ラング・サンの中国との国境沿いは入り組んだ地形で、150マイルの長さに渡り、角張った、霧深い、そして岩場の絶壁が多い山からなっている。最も高い山の頂点は約1350メートルで、マウ・ソンと呼ばれ、地元の酒の名前にも使われている。何世紀もの間、この境界地域に散らばって住む家族達が、危険な道を往来し、多くの商品を運んだ。最近では電化製品、DVD、外国産の野生動物、そして各種の衣服や靴が含まれている。
 
家禽の密輸は、2年前にベトナム政府が鳥フル拡大を抑えるために、約5000万羽の鶏の殺処分を始めて以来、大きな儲けが得られるようになった。ベトナム人の主要な蛋白源である鶏肉不足は、鶏肉価格を上昇させ、国境沿いの密輸を盛んにさせる効果をもった。
 
多くの密輸取引は夜間に行われる。しかし、最近は日中も10数人の密輸人達が、国境のドン・サング町(中国からの密輸品受け渡し場所として有名な場所)の外側の急峻な暗い道を降りてくる。当局の取締のバイクが、警告のアナウンスして回った後ですら、密輸人達が境界を超えて多く現れる。多くは狭いルートを歩いて降りてくるが、その姿は木に隠れて遠くからは見えない。
 
地域の当局者達は、密輸人達は、突然凶暴になることもあり、門外漢(部外者)に石や火器で攻撃することもある、と警告する。ベトナムの報道によると、ラング・サンの鶏密輸者達は、兵士達に攻撃をしかけたこともある。1例を挙げると、兵士達は石で攻撃され、彼等の車は破壊されたと言う。
 
ラング・サン県の家禽保健局のド・バン・ドォック長官は、中国側とベトナム側における鶏の価格の大きさな差が、密輸を盛んにさせている、と説明する。鶏の価格は変動するが、それでも1羽の価格が中国で1ポンド当たり30セント以下であるのに対し、ベトナムでは1ドル以上で売れる、と言われる。
 
ドォック長官はベトナムにおける家禽の高値は、輸入ワクチン代、および他の鳥フル対策費用が加わっていると説明する。一方、中国では大養鶏場での飼育管理、低価格の飼料、自国でのワクチン使用で、鶏の価格が安くなっているとされる。
 
さらに同長官は、中国の農民達は鳥フルが発生した地域からの鶏をバーゲン価格で売りさばいていると、断言した。いくつかのケースでは、農民達は彼等の家禽を殺処分したと政府に報告し補償費を受け取り、それから鶏を密輸人に小売りするようだ。
 
”彼等は可能な限り金を得ようと試みる”、と長官は眉をひそめて、”鳥フル流行で弱った鶏を売っている”、と語った。
 
中国農業部は、家禽が広西自治区からベトナムに密輸されていることを確認している。ベトナムからの書簡での質問に答えて、広西自治区の家禽保健研究者達の研究で、ベトナムのラング・ソン県近くの3地域から密輸されていることが判明しているが、それらの家禽が鳥フルに感染しているという報告は受けていないと、中国農業部は答えている。
 
中国農業部はさらに、政府の獣医担当者達は税関や国境警備隊と共に家禽の密輸を取り締まっていると答えている。中国の警察は本年、23000羽以上の鶏と3500羽以上のアヒルの密輸を摘発していると、当局では言っている。
 
密輸シンジケートは地域の村人達に鳥の運搬に1羽当たり30セント支払っている。運搬は山の中を、時には10マイル以上(16キロ)の曲がりくねった道で行われる。

ラング・ソン県の市場監察長官のヌギュエン・タング・ロイ氏(Nguyen Thang Loi,)が説明する。

時には密輸人の中に女性や子供もいて、彼等はせいぜい2,3羽の鳥しか運べないが、屈強な男性の場合は20羽近い鳥を運ぶ。

彼等の1週間の収入は、家禽保健担当者や監察官の給料以上になることも多いと言われる。
 
密輸商人達は、さらに大量運ぶ手段を考えている。最近ロイ長官の下の監視官は、1トンからの鶏を載せて山の中の鉄道線に沿って運ぶ、木製の荷車を摘発している。
 
密輸人により麓に運ばれた鶏は、次ぎにバイクで地域の集荷場所となっている農家に運ばれる。そしてそこからトラックでハノイ、さらに南部へ運ばれると、監視官と家畜保健専門家は説明する。
 
平均1500羽の鶏が山を超えて毎日ラング・ソンに入ると、監視官達は推定している。また、中国とベトナム国境に沿ってベトナムに運び込まれる鶏の数は、毎日数千羽を超えるだろうと、ベトナムと国際的家畜専門家達は推定している。

 
世界中で不法な家禽や鳥の取引が広範に行われていると、国連FAOのルブロー氏は語っている。詳細は残念ながら不明とされる。
 
この不正な取引には、中国からのものがしばしば認められるが、大規模な未検査肉の商業用出荷が含まれ、これらはヨーロッパ各地、アフリカ、そして米国へ向かう。例えば先月、米国の検査官はデトロイト地域の倉庫で、東南ミシガン地区の中国レストランやアジア食料店に運ばれる、中国から密輸された鶏や鴨の冷凍肉を摘発している。
 
昨年、台湾当局者は中国から密輸されてきた1000羽以上の鶏から致死的鳥フルウイルスを始めて検出している。2年前には、ブリュッセル国際空港で、鳥フルウイルスに感染したワシの”つがい”が、タイ人の旅行客の旅行鞄から発見され、没収された事例もある。
 
アフリカでは、FAOのルブロー氏によると、エジプトからスーダンに家禽貿易でH5N1ウイルスが広がったが、可能性から言って大陸の他の国にも同様に広がったと考えられている。

 
ロイ長官によると、ラング・ソンには22人の監視官しかいなくて、バッテリーから車までの密輸を取り締まっているという。警察や軍との共同作戦で繰り返し密輸人達を逮捕している。しかし彼によると密輸組織の大きさには何ら変化は無く、真の密輸仕掛け人達は背後にいて、密輸鳥を運んでいる人々ですら、彼等の名前や情報を得ていないようだ、とされる。
 
ベトナムにおける鶏の高価格が鶏の不正取引で利潤を産む限り、それは続くだろうと、FAOのベトナム事務所の家畜保健専門家であるジェフリー・ジルバート氏は語っている。
 
”ヘリコプターを配置し、軍が迅速に動き、そして全ての強化策を実行しても、それは続くと思われる。それは正しく「ホーチミン・ルート」のようなものだ”、と同氏は嘆息をまじえる。



高病原性鳥インフルエンザ海外報道抄訳集

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[ 2009/01/14 12:00 ] ◆ベトナム | TB(0) | CM(0)

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