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徒然日記 2008.12.13 

2008/12/13 更新14:12:29

 インド、西ベンガル州での家きんの間での鳥インフルが広がっている。
 今年1月から2月にかけて、西ベンガル州で最悪の流行があった。
 家きん260万羽が殺処分された。関係した数百人の担当者が発熱等の症状を呈して隔離された。
 それでも人の発病者は出なかった。

 昨日、今日のインド系の報道の見出しは、”人への感染拡大が懸念”とされる。
 AFPやロイターもそのような見出しを付けている。
 理由を調べると、アッサム州の保健局長官が人への拡大を懸念し、もしそういう事態が起きたなら、州では対応は不可能だと発表している。
 感染地域では保健担当者が、徹底的に各戸を回り、インフルエンザ様症状を呈している住民の発掘を行っている。
 150人の発熱や上気道炎症状を呈している住民がチェックされ、隔離施設へ収容されている。(AFP日本語版では翻訳者が間違って、鳥インフル症状の一部を呈している住民と書いているが、それは間違いである)。
 これまでは鳥インフル感染者は見つかっていない。
 医療状況が異なるから明確には判断出来ないが、多分、住民の自己判断と申告が信頼できないから、少しでも疑い症状のある住民は全て隔離しているようだ。
 上気道炎だけの症状で隔離とは、日本では考えられない。
 隔離というよりも、収容に近い感じだ。
 多くの感染症、疫病の多い国だ。
 報道内容だけでは、日本では判断できないかも知れない。

 アッサム州周辺では感染拡大を懸念して対策を強化しているようだ。
 1月の西ベンガル州での発生の際も同様であったが、近隣の州への拡大が懸念され、もしかしたなら多くの州への拡大も考えられた。しかし西ベンガル州との州境では徹底的に感染拡大措置をとり、見事に成功している。
 中央政府と各州行政府との連携、さらに英国植民地時代からの徹底した公衆衛生的管理が、感染症拡大対策に効を奏してきたのかも知れない。

 カンボジアで青年が死亡した鶏を食べて、鳥インフルを発病した。
 カンボジアでは最近、家きんの間での鳥インフル発生は報告されていなかった。
 家きんでの発生が十分把握されていなかったとしたなら、それは心配の種となる。
 家きんにおける発生封じと、それからの人への感染を徹底的に防止するのが、H5N1ウイルスが新型インフルエンザへ変化することの基本的対策だ。
 このように家きんでの発生が把握されていないのに、突然人での発生が起きることは危険である。これまでも中国やインドネシアで起きている。
 今後の推移に注意したいと思う。

 とある関西の報道機関から電話で取材が入った。
 どうなんです?
 いつ新型インフルエンザが起きるか分からない程に、事態は切迫しているのですか?
 悲惨な状況になるのですか?

 短時間ではあったが、僕の説明で相手は理解した。
 主婦層を中心としたテレビ番組でキャスターが説明したいと言っていた。
 数年前からH5N1鳥インフルからの新型インフル発生は懸念されてきた。それは今も同じであるが、家きんや人での発生数はむしろ減少してきている。どんどん発生する危険性が高まっていることではない。
 パンデミック・インフルエンザはいつでも起きえる。
 むしろインフルエンザ全般に対する知識と個人的予防方法の習得が必要だ。
 パンデミックに対しては2週間は外出しなくても済むように、食料品も含めて日常必要品を備蓄しておいた方がいい。それは地震を含めた災害でも必要なことだ。
 咳エチケットの徹底が必要で、その方法の習得も重要だ。
 自分を守るという意味だけではなく、感染者が周辺に感染させないために必要な対策なのだ。
 そんなことを僕は伝えた。
 そして、僕の肩書きに関する質問の過程で、僕が毎日ウエブの維持に数時間要しているから、それだけでも半日仕事なのだ、と言うと絶句していた。
 
 各地域の公衆衛生担当者は、もっと業務にプライドと責任をもってインフルエンザ啓発に努めて欲しいと思う。
 誤った恐怖感が広まっては困る。
 受験生もいる。
 妊婦さんもいる。
 今必要なのは、正しい情報だと思う。
 咳エチケットなんかで新型インフルエンザは防げるものか、という乱暴な言い方をしている高名な人や業界の担当者がいるようだ。
 
 Evidence-based Crisis Managemnet (EBCM:根拠に基づいた危機管理)。
 Evidence-based Public Health(EBPH:根拠に基づいた公衆衛生)
     これらは僕の造語です。念のため。

 感染を防ぐのではなく、相手に感染させない利他的行為を身に着けましょう。
 利他的という心と体の行為を子供達だけでなく、大人達にも啓発しましょう。
 どんな怖いウイルスでも、社会の中に飛び出してこない限り、我々の社会の安寧は保たれます。
 この様な啓発はお金になりません。また目立つ提案にもなりません。だから新型インフルエンザを取り巻く日本の環境の中で、埋没してしまうのです。
          
              米国CDC、ミネソタ州保健局

 ある企業関係者からメールがあった。
 企業対策も反省期に入っているようだ。
 良く分からないままに、恐ろしい”仮想感染症”対策に振り回された初期の段階から、より冷静に合理的に対策を考え出したようだ。
 これからが本格的対策であってBCP作成と思う。
 感染予防対策
 薬
 出社方法
 問題点の共有方法
 …。
[ 2008/12/13 14:22 ] ♪外岡先生徒然日記 | TB(0) | CM(0)

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