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抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン(案)[内閣官房資料] 

※内閣官房HPよりコピペ


抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン(案)


目次
第1章 はじめに
(※タミフル・リレンザ備蓄計画)

第2章 抗インフルエンザウイルス薬の流通調整
1.全段階を通じた対応
2.前段階における対応
3.第一段階における対応
4.第二段階から第三段階(感染拡大期)までにおける対応
5.第三段階(まん延期)以降における対応
第3章 投与方法
1.新型インフルエンザの治療

2.新型インフルエンザ発生時の通常インフルエンザの治療
3.新型インフルエンザの曝露を受けた者に対する予防投与
第4章 抗インフルエンザウイルス薬の選択について



■第1章 はじめに

○ 我が国においては「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、最新の医学的な知見、諸外国における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄状況、抗インフルエンザウイルス薬の流通状況等を踏まえ、段階的に抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を進めることしている。

(リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)の備蓄状況)

○ 平成19年度までにタミフルを治療用として、国及び都道府県の備蓄分と流通備蓄分を合わせて2,500万人分備蓄している。治療用の備蓄量については、全人口の25%が新型インフルエンザに罹患すると想定した上で、米国CDCにより示された推計モデルを用いて、医療機関を受診する患者数を計算することで、算出したものである。また、予防投与用(封じ込め用)として、300万人分の備蓄も完了している。
また、平成20年度補正予算では、国の備蓄として1,330万人分を追加することとしている

(ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)の備蓄状況)

○ 新型インフルエンザウイルスがタミフルに耐性を獲得している可能性もあることから、平成19年度までにリレンザを、国で135万人分備蓄している
また、平成20年度補正予算では、国の備蓄として133万人分を追加することとしている。

○ 今後はタミフル耐性株サーベイランスの状況等も踏まえ、必要に応じて備蓄量を見直すこととしている。

○ なお、新たに開発されている抗インフルエンザウイルス薬についても、情報収集や支援を行い、全体の備蓄割合を検討することとしている。
(本ガイドラインの目的)

○ 本ガイドラインでは、新型インフルエンザ対策行動計画の各発生段階における、抗インフルエンザウイルス薬の流通調整の在り方、備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の有効な使用方法などについて示すこととする。



■第2章 抗インフルエンザウイルス薬の流通調整

○ 新型インフルエンザの発生時には、適時に、必要な患者に、必要な量の抗インフルエンザウイルス薬が供給されなくてはならない。しかし、特定の医療機関や卸売販売業者等による買占めや薬事法(昭和35年法律第145号)に基づかない不正な取引、情報を的確に判断できず不安に駆られた者による不要な買い込み等により、抗インフルエンザウイルス薬の流通に偏りが生じ、国民生活が混乱する事態も予想しうる。こうした事態を回避するため、適切な流通調整を行う必要がある。

1.全段階を通じた対応

○ 国及び都道府県は、備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の保管場所を非公開とし、十分な警備体制の下で厳重に管理する。

○ 都道府県においては、都道府県警察による医療機関及び薬局(以下「医療機関等」という。)での警戒活動の実施に備え必要に応じて連携を確認、強化する。

○ 国及び都道府県は、住民に対して、パンデミック発生を想定した十分な量の抗インフルエンザウイルス薬を備蓄することとしていることから、パニックを起こさず冷静に対応するよう周知徹底する。

○ 国及び都道府県は、医療機関等に対して、市場における流通量の不足を生じさせる可能性が高いことから、必要量以上の抗インフルエンザウイルス薬を購入しないこと、流行終息後に大量の在庫を抱えても、返品が認められないことを周知徹底する。
さらに、悪質な買占め等と認められる場合には、買占め等を行った機関名を公表する。

2.前段階における対応

○ 都道府県は、通常のインフルエンザ対策と同様に、地域医師会関係者、地域薬剤師会関係者、卸売販売業者、学識経験者、保健所職員等からなる抗インフルエンザウイルス薬対策委員会等を設置し、新型インフルエンザの発生時における抗インフルエンザウイルス薬の安定供給等を図るため、次に掲げる事項を取り決める。

・管内の卸売販売業者及び医療機関等の抗インフルエンザウイルス薬の在庫状況等を短期間に把握する体制整備に関すること。

・備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の放出方法に関すること。

3.第一段階における対応

○ 都道府県は、抗インフルエンザウイルス薬対策委員会等で協議された新型インフルエンザの発生時における抗インフルエンザウイルス薬の安定供給に係る取り決めを確認するとともに、次に掲げる事項を実施する。

・管内の卸売販売業者及び医療機関等の抗インフルエンザウイルス薬の在庫状況等を短期間に把握する体制を整備し、把握を開始する。

4.第二段階から第三段階(感染拡大期)までにおける対応

1)都道府県が講ずべき措置

○ 第二段階から第三段階の感染拡大期までは、感染症指定医療機関等(新型インフルエンザについて、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第19条の規定に基づく入院に係る医療を提供する医療機関をいう。以下同じ。)において、新型インフルエンザの患者等に対する医療を提供することとしている。
このため、都道府県は、卸売販売業者に対し、流通備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を早期に確保し、感染症指定医療機関等の発注に対応するよう指導する。

○ 都道府県は、流通備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の在庫量が一定量以下になった時点で、都道府県が備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を、都道府県が指定した卸売販売業者を通じて感染症指定医療機関等に配送する。なお、都道府県は、備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の使用状況及び在庫状況を経時的に厚生労働省に報告する。

2)国が講ずべき措置

○ 厚生労働省は、全国の患者の発生状況及び備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の使用状況を監視し、抗インフルエンザウイルス薬が不足しないよう、都道府県に対し、国が備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を卸売販売業者を通じて放出する。必要に応じ、製造販売業者に対して、抗インフルエンザウイルス薬の追加製造等を進めるように指導する。

5.第三段階(まん延期)以降における対応

1)都道府県が講ずべき措置

○ 第三段階のまん延期以降は、原則として、全ての入院医療機関において、新型インフルエンザの患者に対する医療を提供する。このため、都道府県は、抗インフルエンザウイルス薬について、各医療機関での使用状況及び在庫状況に関する情報を収集し、必要に応じて、卸売販売業者を通じて、各医療機関の発注に対応する。

○ 都道府県は、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄量が一定量以下になった時点で、国に補充を要請する。また、治療用の抗インフルエンザウイルス薬を有効に使用する観点から、各医療機関に対し、治療を中心とした投薬を行うよう指導する。
都道府県は備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の使用状況及び在庫状況を経時的に厚生労働省に報告する。

2)国が講ずべき措置

○ 厚生労働省は、全国の患者の発生状況及び備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の使用状況を監視しながら、抗インフルエンザウイルス薬が不足しないように、都道府県に対し、国が備蓄している抗インフルエンザウイルス薬を、卸売販売業者を通じて放出する。



■第3章 投与方法

1.新型インフルエンザの治療

○ 新型インフルエンザの抗インフルエンザウイルス薬投与量や投与期間等の治療方針については、専門的な知見を踏まえ、厚生労働省が中心となり、随時更新し、周知することとしている。


2.新型インフルエンザ発生時の通常インフルエンザの治療

○ 新型インフルエンザの流行中であっても、高齢者や小児、基礎疾患を伴う者は、通常のインフルエンザによって、重篤な病態が引き起こされることも考えられることから、抗インフルエンザウイルス薬の使用が必要な場合がある。しかし、一般に健常な成人の場合は、通常のインフルエンザが重篤な病態を引き起こすことは稀であり、通常のインフルエンザと診断できる状況では、診断した医師の判断で抗インフルエンザウイルス薬の投与を控える場合がある。

○また、通常のインフルエンザに対しては、発症後48時間以降の抗インフルエンザウイルス薬の効果は、不十分である可能性があることに留意する必要がある。


3.新型インフルエンザの曝露を受けた者に対する予防投与

(1)予防投与の対象者

○ 新型インフルエンザウイルスの曝露を受けた者は、無症状又は軽微な症状であっても他人に感染させるおそれがあることから、第二段階及び第三段階(感染拡大期)には、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与等を実施することとする。具体的に予防投与の対象として想定される者は次に掲げるとおりである。

1)患者の同居者

○ 第二段階において、患者の同居者は、新型インフルエンザウイルスの曝露を受けている可能性が高く、予防投与の対象とする。

○ 第三段階以降は、第二段階における予防投与の効果等を評価した上で、患者の同居者に対する予防投与を継続するかどうかを決定する。

2)同居者を除く患者との濃厚接触者及び患者と同じ学校、職場等に通う者

○ 第二段階及び第三段階(感染拡大期)に患者が確認された場合、感染症法第15条の規定に基づき、積極的疫学調査が実施される。その結果特定された患者との濃厚接触者(同居者を除く)、患者と同じ学校、職場等に通う者のうち新型インフルエンザウイルスの曝露を受けたと考えられるものは、患者の行動範囲等を考慮した上で予防投与の対象とする。

○ 第三段階(まん延期)以降は、増加する患者への治療を優先することを優先し、これらの対象者への予防投与を原則として見合わせるものとする。

3)医療従事者や水際対策関係者

○ 第二段階及び第三段階に、医療従事者や水際対策関係者等への発症を予防することは、医療機能の維持や感染拡大防止のために重要であり、十分な感染防止策を行わずに、患者に濃厚接触した医療従事者や水際対策関係者等は予防投与の対象とする。

○ ただし、有効性が確認された新型インフルエンザワクチンの接種を受けている場合は、予防投与は見合わせ、発熱等の症状が出現後すぐに、抗インフルエンザウイルス薬の治療投与を行うこととする。

4)地域封じ込め実施地域の住民

○ 第二段階においては、一定の条件が満たされた場合地域封じ込め対策が実施されることがあり得る。その際は、当該地域内の住民に対し、一斉予防投与を実施する。

○ 封じ込めに用いる抗インフルエンザウイルス薬は、国が予防投与用(封じ込め用)に備蓄している分を用いることが原則だが、緊急を要する場合には、都道府県が備蓄している分を先に使用し、後で国が備蓄している分を補充する。
(「感染拡大防止に関するガイドライン」 参照)

(2)予防投与の実施に係る留意点

○ 予防投与については、必ずしも薬事法で承認を得られていない場合も含め、投与対象者(小児の場合は保護者を含む。)には、その有効性及び安全性について十分に情報提供し、同意を得た上で行うこととする。



■第4章 抗インフルエンザウイルス薬の選択について

○ WHOは、新型インフルエンザ対して、ノイラミニダーゼ阻害薬による治療を推奨している。ノイラミニダーゼ阻害薬には、経口内服薬のタミフルと、経口吸入薬のリレンザがある。我が国を含め、各国では、経口内服薬で幼児から高齢者までが服用しやすいタミフルを中心に備蓄している。しかし、一部の鳥インフルエンザウイルス株は、タミフルに対する耐性をもち、リレンザに感受性を示すことが判明していることから、我が国でもタミフル耐性ウイルスが出現した場合を想定して、危機管理のためにリレンザを備蓄している。

○ リレンザは、吸入薬のため内服薬と比較して使用しにくく、また、生産や国内流通量が少ないことから、新型インフルエンザ発生時の治療薬は、タミフルを第一選択とし、地方衛生研究所や国立感染研究所で行っているサーベイランス等を通じ、流行しているウイルスがタミフルに耐性を示し、リレンザに感受性を示すことが判明した場合の治療時にのみ、備蓄しているリレンザを使用する

○ なお、新型インフルエンザの病状についての予測は常に変わりうること、新型インフルエンザの予防・治療方針等については随時最新の科学的知見を取り入れ見直す必要があること等から、今後とも国内で流通している抗インフルエンザウイルス薬の効果や薬剤耐性についての研究、情報収集を行うこととし、抗インフルエンザウイルス薬の投与方法や備蓄量については、適時適切に修正を行うこととする。



内閣官房
HP [新型インフルエンザ対策ガイドライン] > [抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン(案)]より

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